建設工事などで、複数の会社が同じ現場で作業をする場合など、統括安全衛生責任者の選任が必要です。統括安全衛生責任者が行う職務のうち、技術的事項を管理させるために元方安全衛生管理者を選任します。
選任が必要な工事
統括安全衛生責任者を選任したとき
特定安全衛生責任者の選任が必要な工事については、以下のページを参照。
元方安全衛生管理者について
選任
選任(任命)するのは特定元方事業者。
複数の事業者が同じ場所で作業を行う場合、元方事業者の中から1社が「特定元方事業者」として指名されます。
資格
元方安全衛生管理者になるためには、以下のいずれかの資格が必要です。
- 学校教育法による大学又は高等専門学校における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後3年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 学校教育法による高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後5年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 学校教育法による大学又は高等専門学校における理科系統以外の正規の課程を修めて卒業した者で、その後5年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 学校教育法による高等学校又は中等教育学校において理科系統の学科以外の正規の学科を修めて卒業した者で、その後8年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 職業能力開発促進法施行規則第9条に定める普通課程の普通職業訓練のうち同令別表第2に定めるところにより行われるものを修了した者で、その後5年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 職業能力開発促進法施行規則第9条に定める専門課程又は同令第36条の2第2項に定める特定専門課程の高度職業訓練のうち同令別表第6に定めるところにより行われるものを修了した者で、その後3年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 職業訓練法施行規則の一部を改正する省令附則第2条第1項に規定する専修訓練課程の普通職業訓練を修了した者で、その後6年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
- 10年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有する者
労働安全衛生規則にはここまで書かれていませんが、「労働安全衛生規則第十八条の四第三号の規定に基づき厚生労働大臣が定める者を定める告示」に具体的に書かれています。
職務
- 協議組織の設置及び運営を行うこと。
- 作業間の連絡及び調整を行うこと。
- 作業場所を巡視すること。
- 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
- 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
- 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
届出について
届出期限
事業の開始後、遅滞なく
事業開始報告書内に記載する箇所があります。
提出先
所轄の労働基準監督署長
報告内容
事業開始報告書に以下の事項を記載する
- 選任年月日
- 生年月日
- 職氏名
関係法令等
(元方安全衛生管理者)
第十五条の二 前条第一項又は第三項の規定により統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行うものは、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に第三十条第一項各号の事項のうち技術的事項を管理させなければならない。
(元方安全衛生管理者の資格)
第十八条の四 法第十五条の二第一項の厚生労働省令で定める資格を有する者は、次のとおりとする。
一 学校教育法による大学又は高等専門学校における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後三年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有するもの
二 学校教育法による高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後五年以上建設工事の施工における安全衛生の実務に従事した経験を有するもの
三 前二号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者
参考サイト
職場のあんぜんサイト|厚生労働省