建築物や工作物を解体・改修する前には、石綿含有建材の有無を調査し、その結果を行政機関へ電子報告する必要があります。本記事では、報告義務の概要と手順をまとめます。
届出が必要な条件
- 建築物を解体する作業を伴う建設工事であって、当該作業の対象となる床面積の合計が80㎡以上であるもの
- 建築物を改造し、又は補修する作業を伴う建設工事であって、当該作業の請負代金の合計額が100万円以上であるもの
- 工作物を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事であって、当該作業の請負代金の合計金が100万円以上であるもの
請負代金の合計額は、材料費も含めた作業全体の請負代金の額をいい、事前調査の費用は含みませんが、消費税を含みます。
提出について
提出期限
工事開始前
事前調査の終了後何日以内に、という制限はありません。ただし、自治体によっては独自の規制を設けている場合もあります
届出先
石綿事前調査結果報告システムから電子で申請を行う
提出者
施工事業者もしくは自主施工者
関係法令等
大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)
(解体等工事に係る調査及び説明等)
第十八条の十五 建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事(以下「解体等工事」という。)の元請業者(発注者(解体等工事の注文者で、他の者から請け負つた解体等工事の注文者以外のものをいう。以下同じ。)から直接解体等工事を請け負つた者をいう。以下同じ。)は、当該解体等工事が特定工事に該当するか否かについて、設計図書その他の書面による調査、特定建築材料の有無の目視による調査その他の環境省令で定める方法による調査を行うとともに、環境省令で定めるところにより、当該解体等工事の発注者に対し、次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。
一 当該調査の結果
二 当該解体等工事が特定工事に該当するとき(次号に該当するときを除く。)は、当該特定工事に係る次に掲げる事項
イ 特定粉じん排出等作業の対象となる建築物等の部分における特定建築材料の種類並びにその使用箇所及び使用面積
ロ 特定粉じん排出等作業の種類
ハ 特定粉じん排出等作業の実施の期間
ニ 特定粉じん排出等作業の方法
三 当該解体等工事が第十八条の十七第一項に規定する届出対象特定工事に該当するときは、当該届出対象特定工事に係る次に掲げる事項
イ 前号に掲げる事項
ロ 前号ニに掲げる特定粉じん排出等作業の方法が第十八条の十九各号に掲げる措置を当該各号に定める方法により行うものでないときは、その理由
四 前三号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項6 解体等工事の元請業者又は自主施工者は、第一項又は第四項の規定による調査を行つたときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、当該調査の結果を都道府県知事に報告しなければならない。
大気汚染防止法施行令(昭和四十三年政令第三百二十九号)
(特定粉じん排出等作業)
第三条の四 法第二条第十一項の政令で定める作業は、次に掲げる作業とする。
一 特定建築材料が使用されている建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)を解体する作業
二 特定建築材料が使用されている建築物等を改造し、又は補修する作業
石綿障害予防規則(平成十七年厚生労働省令第二十一号)
(事前調査及び分析調査)
第三条 事業者は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。以下「解体等対象建築物等」という。)について、石綿等の使用の有無を調査しなければならない。