早分かり:工事中の消防計画届出

危険物

工事中は、溶接・溶断作業での火気使用、塗装作業での危険物品の使用、作業員の喫煙など、通常時よりも火災発生の危険が高まります。

このため、工事中の防火安全対策を盛り込んだ消防計画の作成・届出が必要です。

届出が必要な条件

工事中の消防計画は、「新築工事中の建築物」と「既存建物の増改築等工事」の2つの場面に分かれます。

新築工事中の建築物

次のいずれかに該当する新築工事中の建築物で、収容人員が50人以上のものは、防火管理者を定め、消防計画を作成・届出しなければなりません。

  • 地階を除く階数が11以上で、かつ、延べ面積が10,000㎡以上である建築物
  • 延べ面積が50,000㎡以上である建築物
  • 地階の床面積の合計が5,000㎡以上である建築物

収容人員は、仮使用の認定を受けた部分は通常の算定方法、それ以外の部分は工事従業者の数により計算します。

上記は消防法令上の全国一律の基準で、地域によってはこれに加えて指導基準を設けている場合もあります。東京消防庁では、地階の階数が3以上の建築物や、地階を除く階数が11以上かつ延べ面積が3,000㎡以上の建築物なども、指導基準に基づく届出対象としています。

既存建物の増改築等工事

使用中の建築物で工事を行う場合、「工事中の消防計画」を作成し、既存の消防計画の変更として届け出る必要があります。

  • 仮使用認定の申請をしたもの
  • 消防用設備等の工事により、その機能が停止または著しく低下するもの
  • 消防署長が必要と認めるもの

提出について

提出期限

工事着手前、遅滞なく(法令等での明記はない)

届出先

所轄の消防長(消防本部を置かない市町村においては市町村長)又は消防署長

届出者

  • 新築工事中の建築物:当該建築物について管理権原を有する者(建築主、工事監理者、工事施行者等)が防火管理者を選任し、その防火管理者が消防計画を作成・届出します
  • 既存建物の増改築等工事:既存の防火管理者

届出内容

  • 消防計画作成(変更)届出書
  • 工事中の消防計画

工事中の消防計画には、通常の消防計画の記載事項に加え、工事期間中に特有の次のような事項を定めます。

  • 工事計画及び施工に関すること
  • 工事中の防火管理体制に関すること
  • 工事期間中の工事人の教育・訓練の実施及び工事中の消防計画の周知に関すること
  • その他工事に伴う特異事項

また、該当するものについては、以下の内容も含めます。

  • 工事に伴い機能に支障が生じる消防用設備等の代替措置に関するこ
  • 工事に伴い機能に支障が生じる避難施設等の代替措置に関すること
  • 火災発生危険等の対策に関すること
  • 工事に伴い使用する危険物品の管理に関すること

自治体(消防本部)によって様式・添付書類・電子申請の可否が異なります。事前に所轄消防署の予防課へ確認することをおすすめします。

届出後の流れ

管理権原者による防火管理者の選任(新築工事の場合)/既存の防火管理者による対応(増改築等の場合)
 ↓
工事中の消防計画の作成
 ↓
消防計画作成(変更)届出書の提出(所轄消防長又は消防署長)
 ↓
工事期間中、消防計画に基づく立会い・火気管理・訓練等の実施
 ↓
工事完了後、通常時の消防計画への切替え(必要に応じて再度の変更届出)

関係法令等

消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)

第八条 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める二以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)

(防火管理者を定めなければならない防火対象物等)
第一条の二
 (第一項・第二項略)
3 法第八条第一項の政令で定める防火対象物は、次に掲げる防火対象物とする。
一 別表第一に掲げる防火対象物(政令で定める要件に該当するもの)
二 新築の工事中の次に掲げる建築物で、収容人員が五十人以上のもののうち、総務省令で定めるもの
 イ 地階を除く階数が十一以上で、かつ、延べ面積が一万平方メートル以上である建築物
 ロ 延べ面積が五万平方メートル以上である建築物
 ハ 地階の床面積の合計が五千平方メートル以上である建築物

三 建造中の旅客船(船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第八条に規定する旅客船をいう。)で、収容人員が五十人以上で、かつ、甲板数が十一以上のもののうち、総務省令で定めるもの
4 前項の収容人員の算定方法は、総務省令で定める。

消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)

(防火管理者の責務)
第三条
 防火管理者は、令第三条の二第一項の規定により、防火対象物の位置、構造及び設備の状況並びにその使用状況に応じ、次の各号に掲げる区分に従い、おおむね次の各号に掲げる事項について、当該防火対象物の管理について権原を有する者の指示を受けて防火管理に係る消防計画を作成し、別記様式第一号の二の届出書によりその旨を所轄消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。以下同じ。)又は消防署長に届け出なければならない。防火管理に係る消防計画を変更するときも、同様とする。

参考サイト